《任用》教職員は「60歳定年制」になっていて意欲や能力にかかわりなく退職しなければなりません。その後は、「年金生活」というのが通例でした。ところが、年金制度が十分機能しないことから給付の繰り下げが行われ最大(1966年4月2日生まれ以降の女性)で65歳まで「無年金」で生活していかなければなりません。退職から年金支給までの期間を埋めるために「再任用制度」が設けられました。 こうした経過を踏まえると、「再任用制度」は再任用を希望する人すべてが任用されなければならないといことが原則になります。加えて、「再任用制度」が雇用者側の責務であることは法的に明示されています。 しかし、この「再任用制度」には多くの問題点が残されています。①退職前と同じ仕事をするにもかかわらず給料はほぼ半額になります。②再任用される人を「定数枠」としてカウントすることで、新規採用や人事異動に支障をきたす。③フルタイムで働くことが原則ですから、短時間勤務を希望しても「職」がなければ再任用されないケース(小学校教員の短時間勤務など)があります。 きょうと教組は、「再任用制度」ではなく「65歳までの定年延長」を基本とすべきだと考えています。また、60歳以降の職務内容・勤務時間は年齢にふさわしいものにしていく必要があると考えています。今後の行政交渉での課題です。 勤務条件などは正規職員とあまり変わりませんから簡単に知りたければ再任用職員の概略を参照して下さい。 《勤務時間》 始業時間や終業時間の管理は監督責任者の義務で、「どの職員がいつ来ていつ帰った」かを管理職が知らないということは許されません。「きょうと教組」の長年の要求によってICカードやコンピューターの稼働時間などの記録によって「時間管理」をしていく方法が定着しつつありますが、いざという時のためにも個人的なメモを取っておくということは大切なことです。
1 教職員の勤務時間 再任用の勤務形態には、常時勤務(正規職員と同じ勤務時間)と短時間勤務(それぞれの職に応じた時間)の2つのパターンがあります。 また、任期は「1年を超えない範囲」とされ、65歳までの範囲で更新が必要です。更新しなければ自然に「退職」となります。 2 再任用職員(常時勤務)の勤務時間
3 休憩時間(京都府給与条例でも同じ定めがあります)
実際にはほんとんど《休憩時間》をとることができません。かつては勤務時間の後ろに《休憩時間》をくっつけるということがあったのですが、変則的だとの指摘を受けて取りやめになりました。ですから、業務に支障がないなら「休憩時間をとります」といって職場を離れる(郵便局や銀行、買い物に行くなど私用につかう)ことは可能なのです。 4 時間外勤務(教員) 教員以外の人は、時間外勤務(超過勤務)をすれば超勤手当を受け取ることができます。職場の取り決めによって異なりますが、およそ時給の1.5倍の手当になります。 《京都府給与条例37条》では、教員の時間外勤務は原則的に認め(ない)られない。ただし、特別な業務に限り(限定4項目について)時間外の勤務をさせることができる、となっています。反対にいえば自主的・非自主的を問わず、時間外勤務をしても超過勤務手当については対象外だということです。これは《公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)》によって決められていました。近年の「働き方改革」論議で給特法は大きな批判を浴び、2019年に《改正給特法》が成立しました。しかし、改正は不十分なもので学校現場の超勤削減が進むかどうかは予断を許せない状況です。 《給特法6条》には「限定4項目」を命じる場合、「教育職員の健康と福祉を害することとならないよう勤務の実情について十分な配慮がされなければならない」と但し書きがあります。
●「限定4項目」などで時間外勤務を命じた場合に管理職はいわゆる「回復措置」を講じなければなりません。 ●実際は「休憩時間」と同じように「限定4項目」以外の仕事では、ほとんど時間的なけじめがついていないのが現状です。 ●《きょうと教組》は、府教委や市教委に超勤実態を明らかにして超勤を減らすよう働きかけています。 ●《きょうと教組》は、理不尽な超過勤務を強いるような職場にあっては組合員からの相談にのったり、場合によっては管理職への申し入れを行いながら改善に努力しています。 5 時間外勤務(教員以外) 教員以外の人は、《京都府給与条例37条》で「公務のため臨時又は緊急の必要がある場合に、時間外勤務を命ずることが出来る」とされています。これは、週休日や正規の勤務時間(7時間45分)外に、時間外勤務を命ずることができるという規定です。この時間外勤務については①週休日の勤務の場合は休日の振替が原則です。それへの手当ては支給されません。②正規の勤務時間(7時間45分)を超える時間外勤務については、「勤務1時間当たり給与額×割増率×従事時間」で計算される時間外勤務手当が支給されます。 ●「時間外勤務手当」が支給されるから、いくらでも残業を命じても良いというわけではありません。労働省告示で「時間外労働をさせる場合の限度時間」を月45時間以内とされています。 ●また、「時間外労働をさせる場合の限度時間」を超える場合には36(さぶろく)協定を締結する際に「特別条項」を設けて「限度時間」を設定する必要があります。 ●いずれにしてもこれらの規定は、「労働時間を制限する」ためのものであって、無制限の労働を許すものではありません。 ●《きょうと教組》は、理不尽な超過勤務を強いるような職場にあっては組合員からの相談にのったり、場合によっては管理職への申し入れを行いながら改善に努力しています。
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